福祉:資料提供「特別支援学校進路指導における戦略校の現状(福岡市)」 2021年11月05日  

特別支援学校(知的障がい)での就労支援考(福岡市ケース)

 

軽度の知的障がいを持った高校生達が就職するためには、健常者が就労を目指すのと同じく、職業観の醸成(涵養)を元にしたキャリア教育と職種等とのマッチングなどを元にした職業教育が必要だと考えています。 しかしながら職業観については障がいの特性からキャリア・コンサルタントが提唱するような一般的な取り組みの実現はかなり厳しく、更にやはりその障がい特性からマッチングできる職業・職種の選択肢も自ずと限定されてしまいます。 知的障がい者へのキャリア教育と職業教育の関係性や可能性に関しては弊社HPやブログ等http://blog.hr-agent.com/で考察した通りです。以前、このHPやブログで職業教育の流れから職場実習の重要性を述べましたが、実際私供が関わっている福岡市立特別支援学校博多高等学園での現状と課題点を整理したいと思います。 すでに2年生時から本格的にスタートしている職場実習を通してインフォーマルな形で採用側企業等の事実上の採用選考がスタートしているわけですが、しかしながら職業教育授業の成果が目に見えて現れるのは3年生の前期辺りとなっています。

 

当然この時点で採用判断はできない訳ですが、企業側にとっての利点は、まだ職業教育の成果が見えない2年生時とコミュニケーション能力など部分的には健常者の高校生達より高い能力を発揮できるようになった3年生時の姿を職場実習等を通じて見る・知る事ができるところにあります。 つまり生徒達の「劇的な成長実態」を見る事ができるので、採用後の人材としての成長の期待が感じられるのです。 そして人材としての成長期待が出来ると言う事は、障がい者雇用を福祉の目線から戦力の目線に切り替えられる可能性があるという事です。 

ただ、この2年生の前期から3年生の後期までの成長過程を生徒自身が企業側に理解してもらう方法が実習がメインとなるため、今回のコロナ禍での実習数の減は非常に問題であると私など考えております。 更に我が国では、障がい者も健常者も高校生の場合、生徒自身が主体者となって就職活動が出来ない仕組みとなっているため、就労主体者である生徒たちの代わりに学校側、つまり教員が就活主体者となって、生徒たちの成長過程を企業側に知ってもらう役目を担ってもうらう必要があります。 つまりは生徒に対するキャリア教育や職業教育の機会設置と同等以上に学校側の就活機能の向上も同時に向上させていく必要があります。 これは求人時期にだけ行うのではなく、通年年間を通して戦略的に行う必要があります。 

もちろん博多高等学園の様な戦略校に限った考察にはなりますが、同機能を持つ戦略校としての位置づけの特別支援学校が多くの自治体に設置されていますので、全てが同じ条件であると考えています。 また、コロナ禍を契機に働き方改革など障がい者にとって、決して有利にはならない労働スタイルが今後新たな課題になっていくかもしれません。 この辺りは、私も委員として活動している福岡市教育委員会の「夢ふくおかネットワーク」で、Withコロナな就労スタイルの可能性の是非を委員会でも提言していければと思ったりしています。 

2021/11/05
執筆署名:佐藤康弘

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